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――臨床医は必ずしもAIを好意的に見ていないとの声もよく耳にします。

 そこは意外だったのですが、我々の学会に強い関心を寄せてくださっている方の多くは臨床医です。もともと私達の学会は、人工知能学会の医療版といった位置付けで、医療とAIの融合分野に取り組む研究者などを対象として想定していました。ところが学会発足後、研究者だけでなく、全国のさまざまな診療科の臨床医から予想以上に多くのお声掛けをいただきました。実際、これまでに会員登録をしてくださった方のおよそ半数以上が臨床医です。

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 臨床系の学会からもお誘いをいただいており、日本外科学会からはAI活用に関する分科会をつくりたいとのお話がありました。AIでこんなことができそうだというアイデアがあっても、現場への導入は難しいと悩んでいた臨床医が少なくないようです。そうした方々が互いに相談でき、知見を共有しあえるコミュニティーを我々が提供することになった。それで、高い関心を寄せてもらっているのだと思います。

 若い世代に顕著なのですが、臨床よりもデータ解析やAIに強い関心を持ち、その道に進もうとする医師も増えています。有名大学の医学部を卒業して初期研修を受けた後、臨床ではなくAIの世界に進む例をしばしば目にするようになりました。米国でも、放射線科の権威が「医師を志すなら、まずはAIをきちんと学ぶべき」という趣旨の発言をして話題になりました。放射線科やそれ以外の診療科でも、いったんは臨床を離れてAIを学ぶことがトレンドになりつつあります。