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――AIは医療の幅広い領域に応用できる可能性があります。学会ではどの領域に比重を置くのでしょうか。

 AIの医療応用に関するすべての領域を対象にしたいと考えています。ただし、まずはモデルケースとなる事例を作ることが大切だと思います。その意味では、がん医療が大きな柱になるでしょう。

 がん医療には、政府の施策などを含めて医療の中で最も多くのリソースが投入されています。ゲノム情報に基づく治療や免疫療法なども、がん医療において最も進んでいるわけです。ですから、この領域でうまくモデルケースを作れないようでは、医療の他の領域でもAIを活用することは難しいのではないでしょうか。まずはがん医療に軸足を置きながら、AIの研究から社会実装までを一気通貫でカバーする体制づくりを進めたいと思います。

国立がん研究センター研究所内の「AI解析エリア」。医療機関がAI解析に特化した施設を備えることは珍しい
国立がん研究センター研究所内の「AI解析エリア」。医療機関がAI解析に特化した施設を備えることは珍しい
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 国立がん研究センターは2016年度に、AIを活用する「統合的がん医療システム」の開発プロジェクトをPreferred Networksや産業技術総合研究所と共同で立ち上げました。その後、我々の取り組みには、日本のAI研究のハブ的な役割を果たしている理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)も合流しました。こうした流れが今回の学会の母体となっています。