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――今回のシステムにはソニーのFeliCa技術を採用しています。ソニーに開発協力を依頼した理由はどこにあったのでしょうか。

 我々は包装技術は専門分野ですが、ICT分野では素人。服薬履歴データを取り込み、アプリケーションで管理するために、おサイフケータイや交通系ICカードで使われているFeliCa技術が使えるのではないか、という単純な発想が動機です。

 我々は、MEDLLECTのような、PTP包装シートの配線を切断することで服用と見なすパッケージが標準化されることに期待しています。そこには、世界標準のNFC(近距離無線通信)の一つであるFeliCaが最適だと考えました。

 配線を切断することでデータを発生させるという機構は当社のアイデア。11年前にベンチャー企業と検討したものです。それをソフトウエアで処理する、モジュール化することに今回、ソニーの技術協力を得ました。我々の要求仕様に基づき、製品化の可能性を検討してもらいました。

――MEDLLECTの開発において肝となったのは、どのような点でしょうか。

 PTP包装シートを取り替えれば、MEDLLECTタグを再利用できる点がポイントです。再利用することでコスト低減が可能になります。そのために、再利用時にPTP包装シートをMEDLLECTタグにセットしやすくする機構に工夫を施しました。

MEDLLECTタグを再利用できる(出典:カナエの資料)
MEDLLECTタグを再利用できる(出典:カナエの資料)
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 PTP包装シートの端子部分はわずかコンマ数ミリで、リード端子の間隔もわずかです。MEDLLECTタグの決められた位置にセットできないと、データの正確な取得は不可能です。しかも、実際の運用では、投薬時に薬剤師がセットして患者に渡します。1シート分の薬剤を超えた処方のときは、患者自身に再度セットしてもらう必要があります。したがって、誰にでも容易で、かつ正確な位置にセットできるものでなければなりません。

 この位置決めの構造としては、挟み込み片のPTP包装シートとMEDLLECTタグの挟み込み片に、凹凸状に形成された位置決めポイントを作りました。その凹凸をきちんとはめ込めれば確実にセットできるようになっています。決して複雑な機構にせず、誰もが簡便にセットできるようにするために試行錯誤を重ねた構造です。