PR

――開発で苦労している点はありますか。

 最終製品を作ったことがなかったので、発生するノイズや熱などの対策に苦労しました。回路設計などの専門家にも支援を仰ぎました。半導体レーザーの事業立ち上げには30億円程度の資金が必要でしたが、レーザーアイウェアにはそれ以上の資金が必要になりそうです。医療機器としての安全性を確認するための試験をするにも試作レベルの機器が数十台必要になりますし、未知の分野に挑むためにさまざまな分野の人材を確保しなければなりません。ものすごくお金がかかっており驚いています。

開発中の視覚障害者の支援デバイス(写真:加藤康)
開発中の視覚障害者の支援デバイス(写真:加藤康)
[画像のクリックで拡大表示]

 医療機器ではない形で製品化することも考えたのですが、目指す効果などを考えると「医療機器に他ならない」と判断して正面から挑むことにしました。今から考えれば、この判断は正解だったと思います。レーザーで網膜に映像を投影することに抵抗感がある人もいます。医療機器としての安全性をクリアできれば、安心して使ってもらえるでしょう。医療機器の開発を進めるなかで安全性のマネージメントの仕方も学べました。

 開発中の視覚障害者向け支援デバイスとは別に、ARやVRなどに使う民生用の網膜走査型スマートグラスを2018年7月から企業向けに出荷しており、一般ユーザー向けにも2018年12月に発売を予定しています。これらも同等の安全性を担保する方針です。