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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 1980年代以降、長らく電動モータが主流だったロボット分野において、油圧駆動アクチュエータを再び見直す動きが出始めた。

 東芝は、自社開発した油圧駆動型の単腕5軸ロボットを自社工場に導入。ものづくりの現場で重量物の搬送に活用し始めた。油圧駆動の出力密度の高さを生かし、それほど大きくない筐体で200kgの可搬質量を実現した(図1)。

図1 自社工場に油圧駆動型の5軸ロボットを導入
図1 自社工場に油圧駆動型の5軸ロボットを導入
5軸のうち、特に大きな負荷の掛かる2個のピッチ軸を油圧駆動とした(白い矢印)。それ以外の3軸(茶色の矢印、架台部のヨー軸、手先のピッチ軸およびヨー軸)は電動である。
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 産業用ロボットだけでなく歩行ロボットにおいても、油圧駆動が注目を集めつつある。例えば、国内における油圧歩行ロボットの第一人者である立命館大学 准教授の玄相昊氏の研究室は、災害現場での重作業などを想定し、人間と同サイズで同程度の関節トルクを出すことが可能な油圧駆動型の2足歩行ロボットを開発した。リンクはCFRPを用いて軽量化したほか、電動型の歩行ロボットと異なり、脚の全軸に壊れにくい力センサ(圧力センサ)を搭載し、緻密な力制御を可能とした。

 海外での油圧駆動ロボットとしては、米Boston Dynamics社(米グーグルが買収)が米DARPAからの補助金を基に開発した4足歩行ロボット「BigDog」や2足歩行ロボット「Atlas」が有名だが、国内の企業・大学でも技術開発が進み始めた形だ(表1)。