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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
 

 中食業界でもロボットの導入がこれから進みそうだ。ローソンを2017年2月に子会社化した三菱商事は、コンビニ向け弁当の製造工程を自動化すべく、ロボットの導入に乗り出した。同社は弁当や総菜の製造を手掛ける神奈川県厚木市の中食製造工場に、ロボット5台を試験導入。幕の内弁当などの盛り付けラインの一部を自動化した。従来は13人で行っていた作業を今回は10人に削減できた。

 人手不足が死活問題となっている飲食業界では、今まで人手に頼らざるを得なかった工程にも、ロボットを導入し始めている。例えば外食業界では、牛丼チェーン大手の吉野家が、店舗での食器洗浄工程にライフロボティクス製の協働ロボットを1店舗で導入。従業員の洗浄作業時間の20%以上の削減に寄与している。中食業界では、リンガーハットが持ち帰り用生餃子の店舗でのパック詰めに、スイスABB社の協働ロボットを数店舗に導入済みだ。

 中食業界において特に人手を要する商品の1つが、弁当だ。コンビニやスーパーなどでは多種多様な弁当が並ぶ。1つの弁当には10種類以上の具材が入ることが多く、それらの盛り付け作業は、通常12~15人掛かりで行っている。例えば中食製造大手の武蔵野は、コンビニ向けなどの弁当を製造する工場にロボットを導入。弁当の中皿容器に蓋を付ける作業については自動化している。弁当の盛り付け工程にもロボットを導入すべく数年前から取り組んでいるが、同社の担当者は「現場へ本格導入するまでの道のりは遠い」と漏らす。

図1 多くの人手に頼っていた弁当盛り付け作業をロボットで
図1 多くの人手に頼っていた弁当盛り付け作業をロボットで
三菱商事は、コンビニ向けの弁当を手掛ける中食製造工場の盛り付けラインにロボットを5台導入。盛り付け作業の一部を自動化する実証実験を行った。ロボットの導入で、1種類の弁当を製造する人員を3人削減できたが、単位時間当たりの生産量(スループット)は半分となったため、労働生産性は35%減少した。(左の弁当写真:ローソン、右の写真2点:三菱商事)
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3人分の省人化だが速度は半減

 三菱商事は、このように自動化がなかなか進んでいない中食業界でのロボット導入に踏み切る。コンビニ業界は10兆円規模の巨大市場だ。2016年2月末時点で、ローソングループの店舗数は国内だけで1万2395店、年間の売上高は2兆円を超える。このうち弁当などの総菜類は売り上げの約23%を支える主力商品群だ。その生産の改革効果は大きい。今回の検証結果を踏まえ、2年後の本格導入を目指す。