本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 前回は「ロボットと法」の関係を巡る世界の動向を導入編として紹介した1)。第2回となる今回は、欧米に遅れること数年、ようやく日本でも動き出した「ロボット法研究会」設立の動向について詳細を報告する。

 日本は「ロボット大国」といわれているが、実は法学の面では研究が遅れていた。欧米では2012年ころから、Ryan Calo氏など情報法分野の中堅の法学者が「ロボット法学」という分野の立ち上げの必要性を先駆的に訴えかけ、一足先に議論を始めていた。しかし、日本では「ロボットブーム」の最中にあっても、法学の領域では最近まで目立った動きがなかった。

 そうした状況が、ついに2016年5月に変わる。日本での研究の遅れを危惧した有志の法学者や弁護士らが立ち上がり、ロボットと法の関係を模索・研究する組織「ロボット法研究会」を同月に発足させる。情報法に関する法学会である「情報ネットワーク法学会」の中に研究会として設ける。