操作パネルで荷物を預けたいロッカーの番号を指定すると、巨大なロボットアームが動き出した。指定したロッカーの前までロボットアームが到達すると、アームの先端の爪がロッカーの引き出しに開けられた小さな穴に入っていく。ロボットは穴に挿入した爪をほんの少し持ち上げ、ロッカーから引き出しを取り出した─。
これは、2015年7月に長崎県のハウステンボスに開業した「変なホテル」で稼働する「ロボットクローク」の作業風景である(図1、2)。宿泊客が預けた荷物が入った引き出しを、ロボットアームがロッカーに出し入れするというものだ。ロボットアームの先端の爪が挿入された穴の形をよく見てみると、四角や丸のような単純な形でなく、屋根のような奇妙な形をしている。