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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 中国の製造業における全体的な発展の方向性を示した「中国製造2025」。これを受け、各地方政府はそれぞれの産業発展段階や地場企業の実情に見合った発展計画を具体的に制定しており、その内容は次第に明確になっている。

 代表的な例として、製造業関連の企業が集積する広東省について見てみよう。同省には広州市や深圳市を中心に、珠海市、仏山市、東莞市、中山市などの産業集積エリアがあり、それぞれのエリアにはエレクトロニクスや自動車、アパレルなど様々な製造業企業が多数存在する。例えば自動車産業に関しては、中国国内では比較的新しい集積エリアであるが、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどの日系自動車メーカーとの合弁企業を中心に発展してきた。部品に関しても外資系メーカーの進出が多いほか、比較的規模の大きい地場メーカーも育っている。

 ただ、全般的にいえば、広東省の製造業は労働集約型のビジネスモデルによって発展を遂げたものの、昨今の人件費高騰に直面して行き詰まっているのが現状だ。中小規模のメーカーでも労働力不足と賃金高騰が深刻化し、利益を圧迫している。このため品質の向上と安定化を狙い、自動化のニーズが高まっている。今後、製造業を持続的かつ安定的に発展させるためには、産業用ロボットの導入など製造業のスマート化に率先して取り組まなければならない立場にある。