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「日経ものづくり」2017年8月号の特集2「管理されていなかった26年前のプルトニウム」を分割先行公開した後編です。前編はこちら、中編はこちら

前々回前回と2回に渡り、2017年6月に発生した日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター燃料研究棟の内部被曝事故の経緯と原因を考察してきた。最終回では事故の原因を考察する。

両者とも測定評価ミスの可能性も

表1 1回目の肺モニターによる作業者5人の被爆検査の結果
表1 1回目の肺モニターによる作業者5人の被爆検査の結果
※「<」は核種が検出されず放射能がこの値未満であることを示す。
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 今回の被曝評価ではどちらも、緊急の医学的処置の要否を判断するため、測定の難しいα線測定からの放射能量の評価や、時間のかかるバイオアッセイ検査ではなく、肺モニターを採用している。超小型α線検出器の肺内部への挿入はできず、肺の汚染を直接検査するには外科手術による切開しか方法がない。医療リスクを考慮すれば、現実的には今のところ肺モニター法がベストといえる。

 1回目の内部被曝検査に際しては、5人の作業者は大洗のPFRFから東海村にある核燃料サイクル工学研究所に移送されている。前述したように事故直後に作業服などの汚染が確認されていたことから、移送前には体外をシャワーで洗い流し除染している。バイオアッセイ検査で予測されるより大きな値が検出されたのは、このときの洗浄が不十分で身体表面に付着していた両核種を測定してしまったのではないか。

図 作業時の装備
図 作業時の装備
防護マスクや特殊作業着を身に着けている。 写真:JAEA
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