新しい秩序が生まれるその前には、必ず混沌が存在する。「100年に一度」とも言われる大変革を起こすのが自動運転車だ。人工知能(AI)や半導体といった“キーパーツ”を持つメーカーや、モビリティーサービスを目論む異業種企業が台頭してきた。こうした状況の中で、競争力を失う危機に直面しているのがメガサプライヤーだ。変化に対応する現場を追った。

揺らぐメガサプライヤー
自動運転で崩れるピラミッド構造
目次
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自動運転で岐路に立たされる
Bosch社、Continental社、ZF社、デンソー―。メガサプライヤーの立ち位置が揺らいできた。きっかけは、早ければ2020年ごろに実用化が始まる完全自動運転車だ。サービスや半導体、人工知能(AI)を開発する企業が自動車業界の序列を揺さぶる。「数」の追求に腐心してきたメガサプライヤーは、方針の…日経Automotive
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全方位か一点突破か
“ドイツ御三家”のメガサプライヤーの間で、自動運転時代の戦略に違いが見えてきた。業界最大手のBosch社は「全方位」を守りながらサービスまで食指を伸ばす。Continental社はソフトウエアを重視して安全領域を攻める。ZF社はパッシブセーフティーを組み合わせた独自の提案を始めた。日経Automotive
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全方位で自前主義、手掛けぬAI半導体
Bosch社
Bosch社は自動運転時代を見据えた開発に、全方位で取り組む。付加価値が大きく高まる可能性があるシェアサービスに加えて、中核と言える人工知能(AI)をはじめとしたソフトウエアやセンサー、さらに自動運転車の統合制御に欠かせないシャシー部品まで自社で手掛ける。日経Automotive
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ソフトで先頭走り、より安全なシステムに
Continental社
やはり、Bosch社やZF社とは別の陣営に入った。ドイツBMW社と米Intel社が中心となって自動運転プラットフォームの開発を進める連合への参画を、2017年6月20日に正式発表した。他のメガサプライヤーは米NVIDIA社と組む。Continental社が態度を明確にしたことで、競争は激しさを増しそ…日経Automotive
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AIは独自開発せず、内装との連携強化
ZF社
「ZF社とHELLA社は、センサー技術に関する戦略的パートナーシップを締結した」。メガサプライヤーの一つドイツZF社のCEO(最高経営責任者)を務めるStefan Sommer氏は、同社が2017年6月に欧州で開催したプレス向けイベントで、ドイツHELLA社CEOのRolf Breidenbach氏…日経Automotive
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コア技術内製し、低コスト化で勝負
メガサプライヤーとしてドイツ3社と肩を並べて競争するのがデンソーだ。LiDARや車載コンピューターなどを2020年に量産する。外部連携を進めつつも、半導体や人工知能(AI)の中核技術は自前主義を貫く。開発スピードやコストの課題を解決できるか、正念場を迎えている。日経Automotive