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 富士フイルムグループが売上高と利益を順調に伸ばしている(図1)。売上高営業利益率は、2011年度から4年連続で伸びており、2015年度(予想)は7.4%に達する。デジタルカメラの高級機や、医療機器、産業用機材、電子材料などの事業が好調だという。

ヘルスケア(医薬、メディカル含む)、デジタルイメージング、グラフィックシステム、高機能材料、光学デバイスを重点事業分野としている。
図1 富士フイルムグループの売上高と営業利益率の推移
写真フィルム市場の消失、リーマンショックによる不況と2度の危機を乗り越え、業績は上昇基調にある。写真フィルム(イメージングソリューションに含まれる)の売り上げは全体の1%にも満たなくなった。
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 同社はかつて中核事業だった銀塩写真フィルムの需要がほぼなくなるという危機を経験し、さらにリーマンショックによる世界同時不況も克服した。その原動力となっているのが、他者の技術を柔軟に取り入れ、既に保有する技術と組み合わせて新たな分野で価値を提供する取り組みだ。例えば、医薬品事業では、エボラ出血熱への効果も期待できるインフルエンザ治療薬といった、買収した企業による技術と、解析技術・ナノテクノロジー・生産技術といった、写真フィルムで培った技術・ノウハウを融合させて画期的な医薬品の開発に取り組んできた。

富士フイルム執行役員の柳原直人氏
富士フイルム執行役員の柳原直人氏
R&D統括本部長兼高機能材料開発本部副本部長兼経営企画本部イノベーション戦略企画部長(写真:栗原克己)
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 富士フイルムはさらに、オープン・イノベーションによる研究開発を今後グローバル規模で加速させる。その手始めとして創業80周年の記念日にあたる2014年1月20日に東京・六本木の本社の一角に開設したのが「オープンイノベーション ハブ」である。技術展示と会議スペースがあり、招待した顧客やパートナーに同社の技術を理解してもらった後、困り事やニーズを聞き、その解決に向けて富士フイルムの技術をどう応用できるかを議論できる。

 2016年初めの段階で既に650社以上が来訪し、そのうちのいくつかで共同開発プロジェクトが始まっている。「単なる展示ではなく、フェイス・トゥー・フェイスで創造に向けた議論ができる施設を目指した」(富士フイルム執行役員R&D統括本部長の柳原直人氏)。