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 2016年3月期は減益の見通しとはいえ、依然30%以上の高い営業利益率を誇る産業用ロボットメーカーの雄、ファナック。同社の戦略がいま大きな転換点を迎えている。民間として国内で初めてNCとサーボ機構の開発に成功した同社は、工作機械やロボットで強いコア技術を有する。これまではその独自の技術を活かして商品や事業を展開し、工場の自動化に大きく貢献してきた。

 しかし、いま矢継ぎ早に他社との連携を進めている。自前主義にこだわらず外部の力を積極的に活用しようとしているのだ。その背景にあるのは、人や機械、工場が相互につながるIoT時代にいち早く対応しなくてはならないとの危機感とみられる。

内製だからできた

 同社のコア技術の強さとIoT時代への変化を象徴する製品が、国内競合他社に先駆けて市場投入した緑色の協働ロボット「CR-35iA」だ(図1)*1。可搬質量35kgという重可搬タイプで、同数kg程度の他社製品とは一線を画する*2

*1 従来は、安全上の観点からロボットと作業者を空間的・時間的に隔離しなくてはならなかったが、法改正により一定条件の下で機能安全を確保したロボットであれば、人との共同作業ができるようになった。

*2 CR-35iAは、「日経優秀製品・サービス賞2015」において「日本経済新聞賞最優秀賞」を受賞している。

図1 協働ロボット「CR-35iA」
図1 協働ロボット「CR-35iA」
可搬質量が35kgと大きい。自動車工場などでの重量物の可搬やピッキングといった用途での利用を想定している。
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 数十kgの重いワークを運びながら、人が接触したわずかな外力の変化を検出して停止するには、摩擦や外部環境の変化などから生じる誤差・ノイズと、人の接触による外力を識別する高い検出精度が求められる。同社専務取締役ロボット事業本部長の稲葉清典氏は、ロボットのキーコンポーネントに関する高い技術力を社内で保有していたからこそ、そうした高精度の検出が可能だったと強調する。