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つながって助け合う

 一方で、技術力が弱くなっているとの指摘もあります。日本のものづくり企業としては、基盤技術や要素技術は守っていかなくてはなりません。匠の技を持つ技能者の技をきちんと伝承して、意識してものづくりの基礎を社内に残していく必要があります。

 ただ、設計者については働き方の改革で、仕事をもっと効率化できるんじゃないかと思っています。例えば、設計チームの中で誰がどんな仕事をしていて、いつ誰がオーバーフローして困っているのかといった情報を共有すれば、チームで仕事を平準化できますよね。要は仕事の見える化と助け合いのためのマネジメントを強化するんです。そうすれば、忙しいといわれる設計者も週末には定時で帰れるようになるんじゃないですか。

 そのためにはあらかじめ設計意図を含めて作業内容を書き出して見える化し、他の設計者が助けに入れるような仕事のやり方や、忙しいときに周囲に助けを求められるような仕組みが必要です。

 属人的なノウハウやスキルがありますから、全てを他の設計者に任せるのは難しいでしょうが、それでも自分でなければできない業務と、そうでない業務を前もって切り分けておけば、一部はICTで置き換えることも可能になると思います。そうして設計者が助け合えば会話が始まるので、自然にノウハウが伝わるという効果も期待できます。業務がつながる前に人がつながらなくてはいけませんね。

ほりみず・おさむ
ほりみず・おさむ
1988年に日立製作所に入社し、本社生産技術部に配属。1992年に米カーネギーメロン大学 ロボティクスインスティテュート 客員研究員、2005年に日立中国公司 モノづくり技術センタ センタ長に就任。2013年10月に日立製作所Smart Transformation強化本部 サブプロジェクトリーダ。2014年4月から現職。