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 これまで磨き上げてきたものづくりの手法が通用しない。最近になって愛知県に本社を置くある自動車部品大手の品質管理部門の技術者は強い危機感を覚えるようになった。

 次世代車の部品を開発する際に、エンジンの出力や排気の温度などの大量のデータをどれだけ解析しても、以前なら考えられないようなエラーが出るようになったからだ。

 「古典的なあらゆる統計解析の手法を極めた」と自負する第一線の技術者にとり、データを正確に解析できないという事実は衝撃的だった。問題を放置すれば、メーカーの生命線といえる品質を保証することが難しくなる。

 「これは喫緊の課題だ。なんとかしなければならない」。そう考えたこの自動車部品メーカーはハードウエアやソフトウエアといった分野の垣根を超えた社内の優秀な技術者を20人以上結集。車載部品の高機能化に伴って生まれる大量なデータを正確に解析できるように、「統計科学」の勉強会を始めた。

 その結果、分かったのがこれまで社内で教育してきた古典的なデータ解析の手法がもはや破たんしているという事実だった。高度化に伴い膨大なデータを生み出す製品の品質を保証するには新たなデータ解析手法を確立しなければならない。

 この自動車部品メーカーでは、ビッグデータ解析などの最新の手法を学ぶ研修プログラムを新たに導入。技術者育成の手法を大きく見直して、精緻なデータ解析が可能な開発体制の確立を急いでいる。