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前方車両のカメラ映像を表示

 従来の移動通信技術が通信端末と基地局間の通信だったのに対して、C-V2Xでは基地局を介さずに通信端末間で直接通信できる。2017年内の標準化を予定するLTE規格の新バージョン「3GPP Release14」では、5Gの先取りとして「LTE V2X」が盛り込まれる。ただし、DSRCによるサービスが始まっている日本や、DSRC搭載の義務化を進めている米国では、DSRCを推進する動きが依然として強い。

 一方、スウェーデンEricsson社やフィンランドNokia社、中国Huawei Technologies社といった移動通信機器メーカーの強豪が多い欧州や中国では、C-V2Xの検討が本格化している。例えば2017年3月にスペインで開催された「Mobile World Congress 2017(MWC2017)」では、独Audi 社とHua weiTechnologies社、英Vodafone社が、MWC会場の近郊でC-V2Xのデモンストレーションを実施した(図2)。

図2 MWC 2017でのCellular V2Xのデモ
図2 MWC 2017でのCellular V2Xのデモ
Huawei Technologies社がVodafone社、Audi社と共同で実施した。前方車両のカメラ映像がダッシュボードの液晶ディスプレーに表示される。(写真:日経コミュニケーション)
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 このデモでは、V2Vでカメラ映像やステアリング、ブレーキ操作などの操作情報を伝送する技術や、V2Iで信号の事前警告を伝送する技術、V2Pで車両が歩行者の通信端末に警告を伝送する技術が披露された(図3)。例えばV2Vの映像伝送では、前方車両のカメラ映像をリアルタイムでダッシュボードの液晶ディスプレーに表示する。前方車両がトラックで目視では道路の先を見通せないときなどに役立つという。

図3 5GのV2Xでの活用例
図3 5GのV2Xでの活用例
DSRCの競合技術として移動通信を使った「セルラーV2X」の検討が進んでいる。MWC 2017ではHuaweiTechnologies社などが(a)車両間でカメラ映像やブレーキなどの操作情報を伝送、(b)信号機が周辺車両に対して事前警告を伝送、(c)車両が前方の道路を横切ろうとする歩行者の通信端末に対して警告を表示、といったデモを披露した。
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 V2Vの操作情報の伝送では、前方車両が急ブレーキを踏んだときにブレーキ情報を後続車両に通信するデモが行われた。運転者による目視や車載センサーによる検知よりも素早く前方車両の動作を把握して事故の危険性を減らせる可能性があるという。