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EVタクシー乗り場は早期導入可能

 実用化への課題は費用だけではない。早稲田大学の髙橋氏は、既存の高速道路を1車線だけでも工事で長期間止めることがネックになるとみる。数十トンの大型トラックなどに対するWPTシステムの耐久性の確保も課題だという。「一度工事したら最低10年は持たせる必要がある」(髙橋氏)からだ。

 髙橋氏は、課題が多い高速道路にこだわるよりは、まずは他のエリアでの実用化を考えるべきとする。例えば、EVタクシー乗り場や空港の拠点間バス、工場内での無人搬送車(AGV)などだ(図3)。「走行距離に不安のあるEVタクシーは事実上流しができず、タクシー乗り場で乗客を待つしかない。客待ちしながら充電できれば、充電に貴重な時間を取られる心配もない」(同氏)。

図3 エリアを選べばすぐにも実用化可能
図3 エリアを選べばすぐにも実用化可能
走行中給電を実用化しやすいエリアの例(◎)と当面は実用化が難しいエリアの例(△)を示した。
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が示した走行中給電のロードマップでは、2020年までにタクシー乗り場での実用化、2020年ごろに高速道路での一部区間での実験、2030年までに高速道路の登坂車線の一部区間での実用化、そして2050年ごろの東名高速道路のリニューアル時に長距離区間に導入する構想だ注4)

注4)早稲田大学の髙橋氏は、WPTの開発当初によく語られた一般道路やその交差点などでの実用化は現時点では難しいとする。「敷設費用の安い大きな送電コイルでは、送電中のコイルの上に、WPT対応の車両と対応していない車両の両方があったり、人が歩いていたりするケースを避けられず、危険性が高い。送電コイルを十分小さくすると敷設費用が高騰する」(髙橋氏)からだ。