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 研究開発の効果をどのようにして最大化するのか──。技術革新が加速する中、多くのメーカーがこの悩みを抱えている。さまざまな産業機器を手掛け、年間170億米ドル(約1兆7350億円)を研究開発に投じる米General Electric社(以下、GE社)は、最近になって研究開発の変革を加速している。

 とりわけ力を注ぐのが「事業の枠を超えて研究開発の成果を有効活用する」こと。優れた技術を特定の事業や製品に限って利用するのではなく、幅広い分野に展開する。

 例えば、気密な空間の体積を変化させて空気の流れを生み出す「ふいご」のように機能する小型・薄型部品「Synthetic Jet Actuators」(図1、図2)。クレジットカードよりも薄い部品でありながら、航空機の主翼に加えて、風力発電機用タービンブレードの空気の流れや、船体における水の流れを効率的に制御できる。さらに電子機器の冷却にも活用できるという。

図1 「Synthetic Jet Actuators」と開発チームを率いるSeyed Saddoughi氏
図1 「Synthetic Jet Actuators」と開発チームを率いるSeyed Saddoughi氏
航空機関連から風力発電タービンまで幅広い分野で適用する。
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図2 クレジットカードより薄いSynthetic Jet Actuators
図2 クレジットカードより薄いSynthetic Jet Actuators
ふいごのような働きをすることで、空気の流れを制御する。
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 2015年に生産を開始した、ディーゼル機関と電池を組み合わせたハイブリッド機関車の「Evolution Series」も事業の枠を超えて技術を持ち寄って開発したものだ(図3)。米国の新環境規制に対応するこの機関車は、従来機種と比べて、窒素(NOx)排出量を76%、粒子状物質(PM)排出量を70%削減した。

図3 ハイブリッド機関車の「Evolution Series」
図3 ハイブリッド機関車の「Evolution Series」
ディーゼル機関と電池を組み合わせたハイブリッド機関車で2015年に生産を開始した。
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 制御システムと発電システム、燃料噴射システム、排出ガスの再循環システムに関して、GE社の異なる6つの事業の技術を融合させた。「事業が異なっても、材料や、燃料と空気を効率的に混ぜる燃焼システムなどの要素技術には共通点が多い。優れた技術は幅広い分野に横展開している」。GEグローバルリサーチセンター日本代表の浅倉眞司氏はこう説明する。