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【これまでにない!】
らせん状のセラミックス製熱交換器

 大同特殊鋼が2016年3月に発売した、金属部品の熱処理に用いる加熱炉「プレミアムSTC(Short Time Cycle)炉」には、3Dプリンターで製造した熱交換器を組み込んである。ねじのような、らせん状の突起のある形状で、“ねじ山”の内部には空気の流路が通る複雑な形状だ。これをセラミックスの一種である炭化ケイ素(SiC)で造形した(図1)。

図1 大同特殊鋼が2016年3月に発表した新型STC炉
図1 大同特殊鋼が2016年3月に発表した新型STC炉
(a)が外観、(b)が燃焼システム「DINCS」の概要。パイプの中で燃焼させるのは、ガスやちりを加熱対象物に当てないため。DINCSの右下(排気側)に入る熱交換器を3Dプリンターで製造した。
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本製品と同じ材質で早い試行錯誤サイクル

 この熱交換器はバーナーでの燃焼で生じた排ガスから熱を回収するためのもの。その熱で外部から取り入れる燃焼用の空気を予熱し、バーナーに送り込む。熱の再利用でバーナーでの燃料の消費量が減り、省エネルギーと二酸化炭素の発生量削減を図れる。以前の製品は金属製で、形状も単純な2重管だった*1。新しい熱交換器はサイズはほぼ同じだが、形状も材質も全く異なる。

*1 かなり以前は炉の外に排ガスを引き出して燃焼用空気を予熱する方法だったが、高温の排ガスを運ぶ途中で熱のロスが大きかったため、近年は炉内に入れられる熱交換器で熱を回収するようになっている。

 プレミアムSTC炉は新設計の燃焼システム「DINCS」を備えており、新しい熱交換器はそのキーパーツである。DINCS全体はU字型の管で一方の端にバーナー、他方にこの熱交換器などを備える(図2)。熱交換器はバーナーの排気側に取り付ける。

図2 新型炉を構成する省エネ燃焼システム「DINCS」の一部である高効率熱交換器
図2 新型炉を構成する省エネ燃焼システム「DINCS」の一部である高効率熱交換器
燃焼排ガスから熱を回収し、再び加熱に使う役割を持つ。(a)が実製品(直径140mm)、(b)が3D-CADによる設計データ。
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