悠久の歴史によって紡ぎ出されるプレミアム感こそが高級車の価値である──。そんな常識はもう、過去の遺産になろうとしている。米Tesla社が最初の電気自動車を発売したのは2008年だった。10年間、徹底して取り組めばブランドは創れる。その事実に直面した日欧の高級車メーカーがもがく。将来のサービス化時代の優劣をも左右する激変期に突入した。

特集
変わる高級車ブランド
テスラが仕掛ける世代交代
目次
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伝統だけでは生き残れない
電動化や自動運転、サービス化の波が、高級車市場に押し寄せ始めた。この変化は、歴史と伝統に裏打ちされた強さを持つ“ジャーマン3”にとっても脅威だ。スウェーデンVolvo社やトヨタ自動車のレクサスは追い上げを狙う。米Tesla社など新興勢力も競争に加わる中で、ブランド力の強さが一層求められている。日経Automotive
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伝統と革新で突き進む
Mercedes-BenzとBMW、Audiの“ジャーマン3”が伝統に磨きをかける。顧客が抱くブランドへの期待を守りつつ、新機能を盛り込んだ車両を開発。次なる競争軸は電気自動車(EV)とサービスだ。新興の米Tesla社とも正面からぶつかる。伝統と革新が次のブランドを生み出す。日経Automotive
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独自視点で自動運転を開発
「安全」の領域では誰にも負けない──。スウェーデンVolvo社の創業以来のこだわりだ。3点式シートベルトや歩行者対応の自動ブレーキなど、他社に先駆けて実用化してきた。自動運転の実現に向けても、独自のロードマップを描く。徹底した姿勢で構築したブランド力は、経営不振の窮地をも救った。日経Automotive
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レクサスは“ジャーマン3”を追わず
世界市場で戦える高級車ブランドに昇格すべく、レクサスが動き始めた。2017年は「LC」と「LS」という二つの新モデルを用意し、歴史の1ページ目を記す。“ジャーマン3”の背中を追うのをやめ、目指すのは唯一無二の存在だ。新ハイブリッド機構は走りと環境を両立させ、内装には日本の美が宿っていた。日経Automotive