PR

 「従来の勘と経験に、データに基づく原理原則を加えることで一貫生産思想を進化させたい」。こう語るのはYKK取締役副社長兼工機技術本部長の大谷渡氏だ。一貫生産思想とは、「最高の品質を保つために最適な材料を自ら作り、設備も自社開発する」という考え方。全ての部材や設備を内製するわけではないが、例えば主要な製造設備の多くを自社で開発し、製造している。この一貫生産思想を強化・進化させるために今、注力しているのが世界各国の工場で使用されている設備の稼働データを統合し、活用することである。

12工場で稼働データを収集

 同社の主要事業の1つであるファスナーは現在、海外子会社を含んだ約50の工場で生産している。2014年度と2015年度で7工場、そして2016年度には5工場の計12工場において、工場全体やライン、設備での稼働データを収集するシステムを導入。これら12工場で、YKKグループで生産するファスナーの総数の約80%を占めることになる。

 設備の稼働データを活用する目的は大きく3つある。ファスナーの生産工場における生産リードタイムの短縮やコストダウン、設備の開発における設計の改善・改良、そして保守部品の安定供給や設備の安定稼働を目指した予防保全の実現だ(図1)。

図1 YKKにおける設備の稼働データの活用
図1 YKKにおける設備の稼働データの活用
世界各国にあるファスナー生産工場の設備から稼働データを収集。工場におけるコストダウンへの取り組みだけでなく、内製設備の改善・改良などにも活用する。
[画像のクリックで拡大表示]

 それぞれの経営目標も明確化している。例えば、製造のコストダウンでは「設備総合効率」を5%高めることを目指す。これは、金額に換算すると11億円の削減効果があるという。