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 芝生の鮮やかな緑色が、観客の興奮をかき立てる。サッカーやラグビーの試合で使用する天然芝ピッチには、入念な維持管理が欠かせない。天然芝は、選手の体やスパイクとの摩擦や引っ張りによって、剝がれたり擦り切れたりと傷みやすいからだ。天然芝ピッチを擁する競技場では、傷んだ芝生を休ませる期間を設けなければならないことが課題となっている。

 オランダに本社を構えるDesso Sports Systems社の「GrassMaster」は、こうした課題を天然芝と人工繊維の組み合わせで解決するハイブリッド芝だ。

地中に打ち込む人工芝で天然芝を補強

 GrassMasterは、縦横2cm間隔で地中に垂直に打ち込む20cm長の合成繊維で、天然芝を補強するという仕組みだ(図1)。打ち込む深さは18cmで、天然芝の根が成長するにつれ地中の繊維に絡まることによって、芝を抜けにくくする。従来の天然芝ピッチと比べて耐久性が高く、Desso Sports Systems社の日本総代理店パルカ(本社東京)代表取締役の石原俊秀氏によれば、「天然芝ピッチの3倍以上の時間をプレーに使える」*1。補強用繊維はポリプロピレン(PP)製で、6本の糸をより合わせた束状になっている(図2)*2。この糸の隙間を通って、天然芝が成長するのに必要な水分や酸素が地上から地中に入りやすくなる効果もあるという。

*1 7000m2のピッチで大人25人が練習または競技をするという条件で、天然芝ピッチは良好な状態で使えるのが年間250~350時間なのに対し、GrassMasterピッチは年間900~1200時間利用できるという。

*2 糸の断面は平たく、太さは6600dtex(dtexは繊維1万m当たりの重さ)である。

図1 GrassMaster施工後の断面
図1 GrassMaster施工後の断面
地中18cmの深さまで打ち込んだ補強用繊維に天然芝の根が絡みつき、抜けにくくなる。また、補強用繊維と土壌の隙間を通って水分や酸素が根に届きやすくなる。
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図2 補強用繊維
図2 補強用繊維
(a)は地中部分を空洞にした模型。6本の糸をより合わせた補強用繊維を、縦横2cm間隔で打ち込む。天然芝が育った後はほとんど存在が分からなくなる(b)。
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