パラリンピックでも技術革新
さまざまな障害を持つアスリートが競うパラリンピックでも、技術革新が進む。オリンピックでは使われないような用具、例えば車いすなどもあり、技術で支援する領域はオリンピックよりも広い(Part1用具編のパラ陸上を参照)*7、8。
*7 同「障害者スポーツにテクノロジーの商機あり」
*8 同「選手のパフォーマンスを支える車いすの秘密」
パラリンピック向けの用具開発では多くの場合、人間の機能を再現することが求められる。この点を突き詰めれば、関連技術は福祉や介護、医療などの分野でも活用できるはずだ*9、10。将来はロボットの開発にも生かせるだろう。
*9 同「超人スポーツ支えるテクノロジーは、アイデアの宝庫」
*10 同「障害者の願いで生まれた、新しいサイクルスポーツの姿」
2020年には、東京でオリンピック/パラリンピックが開催される。リオ大会には間に合わなくても、東京大会での採用を目指した技術開発は既に始まっている。
オリンピックをはじめとしたスポーツ大会を支える技術の根底に流れ、製品開発を進める上でキーとなるのが、「人間のことをよく知る」ことである。これは、あらゆる製品に共通する要素であり、近年の個別最適化やマス・カスタマイゼーションへの流れの中で重要度が増していく。オリンピックには、今後のものづくりに役立つヒントが大いに隠されている。