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5Gの最大の懸案は利用する無線周波数帯の確保だ。比較的低い周波数帯で世界共通の帯域を見つけるのは事実上困難であることが明白になってきた。日本は市場の大きい国・地域ごとに無線周波数帯を使い分ける方向になっている。5GH帯無線LANとの無線周波数を巡る攻防も始まっている。

 新RATのシステム開発が進む一方で、5Gにはまだ大きな不透明材料が残っている。新しい無線周波数帯をどこにするか決まっていないのだ(図1)。

図1 3GHz帯とミリ波が有力候補
図1 3GHz帯とミリ波が有力候補
5Gシステムでの利用を検討されている、各国の無線周波数帯を示した。(a)は6GHz以下の無線周波数、(b)は20GHz以上の無線周波数である。5GHz帯を除くと、世界共通で使える無線周波数として可能性があるのは、28GHz帯、60GHz帯などのミリ波帯しかない。一方、5GHz帯は無線LAN向けとして共通に利用できる国・地域が多い。日本では屋外で利用できる5GHz帯の帯域を拡大する方向にある。
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 5Gを推進する関係者は、2015年11月に開かれた国際電気通信連合(ITU)世界無線通信会議(WRC-15)で、無線周波数帯がある程度絞り込まれると見込んでいた。ところが、各国・地域の利害がぶつかり合い、24.25G~86GHzというミリ波の利用を検討する、といったこと以上の絞り込みはされなかった。また、総務省が提案した無線周波数帯のうち、3.8G~4.2GHzと4.4G~4.9GHz帯、6G~20GHz帯は5G向けとしては除外される結果になった。「15GHz帯が有望だと思って実験システムを試作したが、あてが外れた」(ある通信機器ベンダー)という声もある。