クルマは長年、パワートレーンの改良が進化のけん引役を担ってきた。だが、これから訪れる自動運転時代では、その常識は通用しなくなる。消費者が求めているのは“安全で快適な空間”を備えたクルマだ。このニーズに応えられるのは、HMIや質感を核とする内装の革新である。永遠の脇役が、主役の座を狙い始めた。 (久米秀尚)

写真提供:Audi社、BMW社、Continental社、Daimler社、Peugeot社
クルマは長年、パワートレーンの改良が進化のけん引役を担ってきた。だが、これから訪れる自動運転時代では、その常識は通用しなくなる。消費者が求めているのは“安全で快適な空間”を備えたクルマだ。このニーズに応えられるのは、HMIや質感を核とする内装の革新である。永遠の脇役が、主役の座を狙い始めた。 (久米秀尚)
自動運転車の実用化にGoogle社やApple社の参入など、クルマは新しい時代に突入する。エンジンや車体など“重くて硬いもの”は脇役に回る。変わって自動車開発における主役の座を担うのが室内空間の構築だ。新潮流と本気で向き合えるか、自動車メーカーの覚悟が問われている。日経Automotive
自動運転車の室内には、多くのエレクトロニクス機器が搭載されるようになる。HUDに液晶ディスプレー、さらには音声認識やジェスチャー入力。カメラなどを用いた、運転者の状態を監視するシステムも必須だ。正しい場所にタイミングよく、綺麗に情報を出すための開発が熱を帯びている。日経Automotive
並べて比較すると、どうしても質感で見劣りする日本メーカーのクルマ。三菱自動車はAudi社やBMW社をベンチマークに据え、大掛かりな改良を加えた。人工皮革や塗装レス樹脂などの新材料の採用も進み始めている。脳波を活用した評価手法の導入にも期待がかかる。日経Automotive