コニカミノルタ BIC
ロボティクスの動きを注視

注目エリアの1つは46「ロボティクス」だ。これまで工場の組み立てラインなどで活躍してきたが、人工知能などの技術の高まりで、今や家庭やオフィスに浸透できる状況になった。今後、高齢者介護や作業員の生産性向上といった需要も高まるだろう。
シリコンバレーはロボット開発の「ホットベッド」であり、この地では新興のロボティクス企業と深いパートナーシップを構築できる。我々は既に、警備用ロボット開発のKnightscope社に出資しており、ベンチャーのSavioke社とも提携関係にある。
第2は47「職場環境の未来」だ。将来の職場は、もっと定量化が進み、もっと互いに接続し合う。従業員や顧客が新しいエコシステムを生み出す際に何が必要か、オフィス環境と技術の進化を注視し続けている。
第3は48「次世代のヘルスケア」だ。X線撮影のデジタル化から個別化医療まで、デジタル革命がヘルスケア産業を革新しつつある。米国では、医療費削減という意味でも重要性が高い。患者を遠隔でモニタリングする技術も医療の質を高めるのに役立っている。しかし情報の扱いやシステムの統合など、改善できる箇所はまだまだある。
この他我々は、49「企業向けソリューションの変革」や、インターネットと物の流れが新しいビジネスの生態系につながる50「インテリジェントなエコシステム」といったものにも注意を払っている。
FXPAL
遠隔でのコラボレーションを追求

30年以上にわたり、マルチメディアシステム分野で研究活動を行う。オランダ・アムステルダム自由大学の教授でもある。
我々の目線は5年くらい先のものを研究することにあり、将来に求められるものを常に志向している。
例えば、51「リモートコラボレーション」というテーマがある。人々は今、離れた場所で分散して働き合うようになった。互いに仕事の状況を管理するのが難しくなっている。共同作業を離れた場所で行うにはどうすればいいのか、とても興味深い分野だ。
今は「スカイプ」などを使って共同作業している場面も多いが、もっと進化したツールも出てくるだろう。例えば、遠隔地で行われている会議に、あたかも出席しているかのようにできる「テレプレゼンスロボット」を活用したシステムなども組み入れながら、新しいコラボレーションのあり方を模索している。52「テーブルトップコミュニケーション」も出てくるだろう。机の上に置いた紙のコピーを、隣の人に渡すような簡便さで、遠隔地の相手と連携して作業するようなコンセプトだ。
53「センサーとそのインタラクション」にも興味がある。人々が認識する前に、そのニーズを把握するというものだ。ウエアラブル機器をセンサーとして使って行う。
現在、かつてないほど多くの文書が作成されており、コンテンツをいかに取り込み、管理していくかという54「コンテンツ管理」も重要だ。ツールとして、55「ソーシャル&インタラクティブメディア」の進化も要注目だ。