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 「究極の軽量化材料」として自動車業界から熱い視線を送られている炭素繊維強化樹脂(CFRP)。中でも今、より大きな期待を集めているのが、樹脂成分に熱可塑性樹脂を使うCFRTPだ。

 樹脂成分に熱硬化性樹脂を使う熱硬化性CFRPは、既に自動車部品として豊富な実績がある(図1)。だが、現時点の加工技術では成形サイクル(時間)が10分程度と長く、1分程度と短いサイクルタイムを満たす必要がある量産車には向かない。そのため、熱硬化性CFRPは、生産台数が少ない高級車への使用に限定されている。これに対し、CFRTPは射出成形が使えるため、1分程度の成形サイクルを満たせる。つまり、量産車への適用を見込める点が、CFRTPが有望視される大きな理由だ(図2)。

図1 「レクサスRCF」
図1 「レクサスRCF」
ルーフに熱硬化性CFRPの成形品を採用した。
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図2 帝人が試作した電気自動車
図2 帝人が試作した電気自動車
CFRTPで出来た骨格を使用している。
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 ところが、CFRTPにも課題がある。接着が難しいことだ。熱硬化性CFRPは接着技術が確立しており、エポキシ系やウレタン系接着剤で強固にくっつく。ところが、CFRTP向けに高い接着強度を持つ接着剤は今のところ存在しない。もちろん、ボルトやナットといった締結要素を使う機械的な接合は可能だが、その分、重くなる。こうした課題を解消するのが、接着剤を使わずにCFRTPと金属を接合する技術だ。