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【Valeo社】2016年に実用化、Audi社に供給へ

 48V化の普及でカギを握るのが、BSGや電動スーパーチャージャーなど、実際の部品を提供する部品メーカーだ。

 フランスValeo社やドイツContinental社、同Bosch社などが、積極的に部品を展開している。中でも48V化に早くから取り組み、2016年に48VマイルドHEV向け部品を供給することを明言しているのがValeo社だ。最初の供給部品は、BSGと電動スーパーチャージャーで、Audi社のスポーツカーに使われると見られる(図1)。

図1 電動スーパーチャージャー
図1 電動スーパーチャージャー
(a)本体、(b)構造図。
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 Valeo社は2004年から11年間、12VのBSGを生産しており、これまでほぼ100%のシェアを握ってきた。例えば日産自動車の「セレナ」が採用したマイルドHEVシステムのBSGも同社製だ。スズキが2014年8月、軽自動車「ワゴンR」に搭載したマイルドHEVシステム「S-エネチャージ」で三菱電機製のBSGを採用したが、依然としてValeo社は大きなシェアを持っている。

Valeo社 Powertrain Systems R&D and Marketing DirectorのMichel Forissier氏
Valeo社 Powertrain Systems R&D and Marketing DirectorのMichel Forissier氏

 さらには「BSGの量産が進み、初期投資のコスト回収もできている。48VのBSGも12Vとそれほど大きく変わらないコストで提供できる。2018年には、ほかの自動車メーカーも48VのBSGの搭載を始める計画」(Valeo社R&D and Marketing DirectorのMichel Forissier氏)と述べる。

走りは電動スーパーチャージャーで

 同社は、電動スーパーチャージャーが、48Vシステムのキー部品になると考えている。従来のスーパーチャージャーがエンジンのクランクシャフトの回転力を使い、コンプレッサーで過給するのに対し、同システムはモーターでコンプレッサーを回すものだ。

 電動スーパーチャージャーは、単独ではなく、ターボチャージャーに組み合わせて使う(図2)。ターボチャージャーを2基以上搭載する場合に比べて、排圧損失を抑えつつ、低回転域の応答性を高めることができる。特にプレミアムメーカーは走りの性能を向上できるため、電動スーパーチャージャーとの組み合わせで48Vシステムを普及させる考えだ。

図2 電動スーパーチャージャーを使ったシステム構成
図2 電動スーパーチャージャーを使ったシステム構成
ターボチャージャーと組み合わせて低回転域の応答性を高める。
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 Valeo社は48VマイルドHEVの世界市場が2022年に500万台になると予想する。ただ、48VマイルドHEVは「PHEVやEVなどが普及するまでの10~15年間の過渡期のシステム」(Forissier氏)。PHEVやEVの価格が下がってくれば、48VマイルドHEVの存在価値が薄れるとみる。

 同氏によれば、日本メーカーも、欧州や中国での燃費規制への対応という点で、48VのマイルドHEVや電動スーパーチャージャーに関心を持っているという。