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 効果についての簡単な実験事例を図19に示した。同図は3m離れた場所での計測ではなく、スペクトラムアナライザーでダイレクト計測したもので、比較的ノイズが高く出ている点に留意したい。

図19 低ESLコンデンサーの効果
図19 低ESLコンデンサーの効果
IC電源パスコンとして用いた時の効果。左から、コンデンサーなし、コンデンサー大小2個、大容量セラミックコンデンサー、低ESLコンデンサー。
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 左端はコンデンサーがなく、電源-グラウンド間でスイッチングするたびに大きなノイズが出る。2番目は容量の大きな10μFのタンタルコンデンサーと0.1μFのセラミックコンデンサーを付けた場合で、暴れが大きく減少している。最近、小サイズのセラミックコンデンサーの容量が増えてきたこともあり、2.2μFのセラミックコンデンサー1個でも、ほぼ同様の低減効果がある(3番目)。さらに、同じ容量の2.2μFの低ESLコンデンサーを用いると、特に高周波領域においてノイズ量が圧倒的に小さくなることが見て取れる(右端)。

 現在、2端子コンデンサーが非常に安価であることを考えると、3端子貫通コンデンサーに代表される低ESLコンデンサーの懸念は、コストとパターン含めた配置の困難さにあるといえよう。従って、特に高周波ノイズを低ESLコンデンサーで落とさなければならない場合など、全体のバランスを考慮した必要員数を適切に配置するのが得策である。

 各種コンデンサーの使い分けについて簡単に分類する。セラミックコンデンサーは比較的小型で一般的には耐圧も低い方だが、最も汎用性があり、場所も取らない。そのため、ICの近傍に置けるなど、配置の自由度が高いというメリットがある。フィルムコンデンサーは、単位面積当たりの容量はそれほど大きくないが、耐圧が高く、パワー系に多く使われる。また、オープンモードでの破壊が比較的多いことなどから、安全系にも向いている。とにかく容量を稼ぎたい場合は、容量単位当たりの単価が最も低いアルミ電解コンデンサーが適している(図20)。

図20 コンデンサーの商品群と用途
図20 コンデンサーの商品群と用途
セラミックコンデンサー、フィルムコンデンサー、電解コンデンサーなどの種類に対して適材適所の活用を考えたい。
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 いずれの場合も、種類によって容量や耐圧だけでなく特性が異なるので、適材適所の活用を考えたい。

本記事は、2014年11月28日に開催した日経エレクトロニクスセミナー「実践!電子機器の効率的な雑音対策」(主催・日経エレクトロニクス)での菊池氏の講演をもとに、編集・加筆したものである。