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シールドは覆えばいいわけではない

 (1)シールドに用いる金属板などは、電位を入念にグラウンドに落とす必要がある。グラウンドに落とし込めていないと、逆にノイズのアンテナになってしまう。金型変更は大きなコスト増になることを考えると、製品の構想段階から設計、組み立てを含めた初期段階より、シールドについて考えることが重要だ。高周波は狭い間隙からも漏出するので、シールド形状には特に注意すべきである。

 筐体や部品を完全に覆うのが理想的なシールドだが、他の機器との接続や放熱、コストなどの観点から、実際の製品では難しい。例えば高周波を扱う場合、電位をグラウンドに落とし込めていない部分がアンテナになってしまう(図2)。ノイズのエネルギーが大きいと吸収しきれずに漏れることもある。また、現実の製品では放熱やインターフェースの関係から、必要とされる穴や隙間もある。

図2 シールドの効果と実際のイメージ
図2 シールドの効果と実際のイメージ
金属で完全に覆っても、電位をグラウンドに落とし込めていない部分がアンテナとなってエネルギーを伝達する。構造は理想に近いが、シールドとして機能しない場合がある。
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 金属で覆って密閉するという考え方は間違いではないが、周波数やノイズ強度によっては必ずシールドになるわけではないことに留意し、シールドだけですべてのノイズを抑えることは難しいことを理解しておきたい。