PR
[画像のクリックで拡大表示]

 多品種少量生産の工場では、多様な部品やワーク作業対象を扱うことから、完全な自動化が難しい。ロボットでは処理できない微妙な調整や臨機応変な対応も少なくない。そうした状況で人の作業を補助したり、人と協調して働いたりするロボットの必要性が今後高まっていく。

 一方で、協働ロボットは力や速度が制限されるため、生産性を高める目的で極力手作業を排して極力自動化を指向する企業も少なくない。

協働ロボット

 「人でないと作業効率が悪い工程はまだある。ハーネスや細いピンが多い部品の組み付けなどは自動化しにくい」。安川電機執行役員モーションコントロール事業部長の熊谷彰氏は、多品種少量生産の工場における完全自動化の難しさをこう語る。同社はサーボモーター「Σ7」シリーズの生産ラインで約9割の自動化率を達成しているが、それでも残り1割の自動化は当面難しいという*1。「一口に自動化といっても、人と機械の協働作業、人がいたら速度を落とす自動化設備、完全な自動化など、ラインや工程に応じた使い分けが必要。多品種少量生産の工場全体を完全自動化できるのはまだまだ先」(同氏)。

*1 前機種の「Σ5」シリーズの生産ラインの自動化率は5割程度だった。

 そこで自動化の切り札として期待されるのが、人と同じ空間で働く協働ロボットだ。日本の労働安全衛生規約が改正されたのを契機に、協働ロボットが続々と登場している*2。特にワークが小型・軽量な電子機器の製造では、ロボットも小型で小出力のものですむため、安全上の観点からも協働ロボットを導入しやすい。2016年はそうした小型協働ロボットの導入検討が進みそうだ。

*2 2013年までは、労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令を実施する労働安全衛生規則によって、産業用ロボットを利用する際はロボットの周囲に安全柵を設ける必要があった。作業者と物理的に隔離して人への危害を防ぐためである。