欧米FCA社は2015年9月、ジープブランドの小型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「レネゲード」を発売した(図1)。2WD(2輪駆動)車と4WD(4輪駆動)車があり、後者にはドイツZF社製の9速AT(自動変速機)と英GKN社製の4WDシステムを搭載した。
レネゲードは全長が4255mmであり、欧州のBセグメントに属する小型SUV。従来ジープブランドではCセグメントの「コンパス」が最も小さかったが、それより全長を220mm短くした。一般的にBセグメントは全長が3750mmから4200mmとされており、レネゲードはこの定義より若干大きいが、FCA社は同車をBセグメントに分類している。
同車は100カ国以上で発売する計画だが、重視する市場は欧州だ。もともと小型のクルマが売れており、特に小型SUVは人気が高まっているからである。しかし、ジープブランドにはBセグメントのプラットフォームがなかった。そこで、フィアットブランドのプラットフォームを活用した。
ベースとなったのはフィアットブランドの小型ハッチバック車「500L」。同車のプラットフォームを4WD車用に強化して流用した。こうして開発したプラットフォームは、フィアットブランドの小型SUV「500X」にも使っている。レネゲードと500Xはともにイタリアのメルフィ工場で生産する。