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データ集めは自動、人は高付加価値作業を

 そもそも同社が工場のIoT化に取り組んだのは、生産性を高める改善活動を推し進めるため。「人には付加価値の高い仕事してほしい。調べるのは自動化したい」と、構築したのがCTモニターだ*3

*3 当初は、稼働しているかどうかだけを把握していたが、生産性向上には「出来高」「停止時間」「サイクルタイム」のデータが要るとして、後付けセンサーで生産数カウンターの機能を実現した。

 「セミナーや展示会を見て回ったが、工場IoTのシステムは大がかりで高価なのに、古い設備には適用できない」(木村氏)。そこで、上述のように独自にデータを集める仕組みを構築した。こうして現場を見える化した上で、データを見ながら設備停止の原因や対策、担当を検討する「ラインストップミーティング」を毎日現場で開催。停止時間の長いものから順番に問題を潰していくことで、出来高がみるみる改善していったという。

 木村氏は、IoT化の成功要因として、 [1]明確なニーズがあったこと、 [2]投資と収集データを絞り込んだこと、 [3]改善活動などの運用に力を入れたこと、を挙げる。特に[3]では「デジタルを用いてもアナログな活動が大事」(木村氏)という。

 実は「多くの中小製造業は、設備の稼働停止時間すら把握しておらず、サイクルタイムの概念がない」(木村氏)。逆に言うと、稼働時間を把握しサイクルタイムを管理できれば生産性を高められる。木村氏は、「中小企業こそIoT化すべき。改善の余地が大きく大胆な改革が可能。完璧を求めず、素早い決断でとりあえずやってみるべき」と強調する。