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 日本の製造業が世界市場で勝ち抜くためには、製品の付加価値を高めることが不可欠だ。特に新興国が台頭し、価格競争が激しくなっている近年においては、その必要性が高まっている。付加価値、つまり品質にはさまざまな考え方があるが、顧客満足度を飛躍的に高められる「魅力品質」に注目が集まっている。この魅力品質を高める設計「デライトデザイン」を実現する基盤の開発を進めるプロジェクトの概要を解説する。(本誌)

 近年、家電製品や電子機器の分野において日本メーカーの製品の国際的な競争力の低下が目立つ。それを挽回するために、「ワクワクする製品」や「感性に訴える製品」の開発に取り組む企業が増えてきた。しかし、消費者がワクワクする理由は多様で重層的であり、個人差や地域差なども大きい。製品の性格を決定する企画段階での戦略・意思決定が重要なのはもちろんだが、その企画内容に基づいて製品設計を実施する段階でも、新しい手法やツールが求められている。

 デライト(delight)とは英語で「(人を)大いに喜ばせる」ことを意味する。筆者らは現在、「感性に基づいた魅力品質を高める設計」すなわち「デライトデザイン」を実現できる設計環境(以下、デライトデザイン・プラットフォーム)の開発を進めている。これは、内閣府が進めている「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術」の下で実施しており、2014年度から5年間で開発を完了させる計画だ。デライトデザイン・プラットフォームの開発プロジェクトはまだ途上だが、以下ではその考え方と仕組みについて紹介する。