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データサイエンティストの目で見直す

 これらの技術は、分析内容をユーザーが細かく指定せず、精緻に分析していく上での仮説や視点のヒントを得るのに向く。ただし本当に知見を得るには、ヒントを咀嚼(そしゃく)し直して、仮説を立てて改めて詳しく検証する必要がある。そこでは、データ分析のスキルを持つ専門家、データサイエンティストの力が必要だ。

 データサイエンティストはたいていの場合、製造現場で起こることについて詳しい知識を持たないが、データ分析の内容や分析結果の解釈を妥当な方向へ導くことができる。例えば、何かの値を予測したいとき、その予測に全部のデータを投入するのがよいわけではない。予測の邪魔になるデータが混入して、意味のない予測になるような事態は、データサイエンティストがいることによって避けられる。

 それでも、新たな知見を得る起点は、製造現場の担当者が持つ「まだ知らないことがあるはず」という問題意識だ。製造業向けのデータ分析サービスをクラウド上のシステム「Data Veraci(ダータヴェラーチ)」で提供する新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)IoXソリューション事業推進部専門部長の畠山康博氏は「IoTは仕様を最初に決められない世界。データ分析についても全てを最初に決めるというより、部分的な分析から始めて対象領域を少しずつ広げ、PoC(Proof of Concept、概念実証)で確認していくのが適している」と指摘する。中央電子やイトメンでの実証実験も示すように、まず現状で可能な範囲からデータ分析を始めることが、結局は知見の獲得に結び付くようだ。