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性能の進化と低価格化によって、個人でも簡単に入手・操縦できるようになった無人飛行機(ドローン)。空撮だけでなく点検や物流など幅広い活用が期待されている。しかし、普及に伴い事故も多発。事態を受けてドローンを規制対象に加えるべく改正された航空法が2015年12月10日に施行された。

 ドローンは、個人や法人による空撮だけでなく、既に土地や建物、インフラの監視・検査などでも活躍している。さらに、米Amazon社が配送に用いると発表するなど、活用の場面は、今後ますます広がると考えられる。

 しかし、一方で事故も頻発している(表1)。例えば、2014年11月には「湘南国際マラソン」のフルマラソンのスタート直後に、大会協賛社のプロモーション用動画を撮ろうとしていたドローンがコース近くに落下。接触した大会関係者1人が顔に軽傷を負った。2015年4月には、首相官邸屋上に黒塗りのドローンが落下しているのが発見され、しかもその積載物から微量の放射性物質が検出された事件が世間を騒がせた。首相官邸のような重要施設の上空にやすやすと進入して脅威となり得るという危険性が明らかになったのだ。

表1 2014~2015年に発生したドローンによる主な事故・事件
表1 2014~2015年に発生したドローンによる主な事故・事件
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 こうした度重なる事故や事件を背景に、法的規制がなかったドローンの飛行に法の網をかけるべきとの機運が急速に高まり、2015年12月10日にドローンを規制対象に含める改正航空法が施行された(別掲記事参照*1。しかし、「今回の改正航空法は、緊急的な措置として交通ルールを定めたようなもの。ミニマムなルールは作ったが、ドローンの健全な利活用に向けた環境整備は今後の課題」と国土交通省の担当者は話す。実際、操縦者の免許制度や機体の登録制については今回の法改正には含まれず、議論が持ち越されている。

*1 海外ではFAA(米連邦航空局)が、ユーザーが新たに購入するドローンについて、2015年内にも機体の登録を義務付ける方針で検討を進めているという。

 一方、ドローンの運用をめぐって、研究機関や機体メーカー、ユーザー企業などによる業界団体での取り組みも活発化している。以下では、その動向を順に見ていこう。