PR

フレキシブル有機EL専用に

 同社が有機EL新工場を建設しているのは、成都市の製造子会社Chengdu BOE Optoelectronics Technology(成都京東方光電科技)社の敷地の中。ここに、「第6世代」(G6)と呼ばれる工場を建設している(図2)。G6は現在のスマートフォン用液晶パネル工場の主流であり、有機ELでもこれと同じG6工場の建設が韓国、日本、中国で進んでいる(表1)。

図2 中国メーカーのFPD工場
図2 中国メーカーのFPD工場
現在稼働中の中国メーカーのFPD工場を示した。ほとんどは沿岸部にあり液晶パネルを生産しているが、青文字で示した3工場では有機ELパネルを生産している。BOE社は、内陸部の成都市に新たにG6工場を建設し、有機ELパネルを量産する。
[画像のクリックで拡大表示]
表1 主な有機ELディスプレー生産ライン
2017年は、韓国メーカーの生産能力拡大と同時に、中国メーカーが新ラインを相次いで稼働させる計画である。日本メーカーは、2018年の量産開始を目指している。生産能力を拡大させる生産ラインを色つきで示した。黄色が韓国、ピンク色が中国、青色が日本。中国BOE社の成都工場を赤色で示した。*1は、有機ELだけでなく液晶パネルも量産する。みずほ証券の資料や取材を基に本誌が作成。
表1 主な有機ELディスプレー生産ライン
[画像のクリックで拡大表示]

 BOE社が成都市のG6工場を着工したのは2015年5月。当初は、低温多結晶S(i LTPS)TFTを用いた高精細液晶パネルと有機ELパネルの両方を、スマートフォン向けに生産する計画だった。ところが、その後、同社は方針を転換。有機ELの専用工場に切り替えた。プラスチック基板による、折り曲げ可能なフレキシブル有機ELディスプレーの量産に全力投球する構えである。

 2020年に市場シェア20~25%を目指す─。BOE社の意気は盛んだ。同社は2020年までに5.5型の有機ELディスプレーを年産9000万~1億枚の規模で量産する計画である。中国国内ではトップの生産能力になるとみている。

 有機EL工場の建設ラッシュによって必要な製造装置の確保が難しくなっているが、BOE社は問題ないとする。特に困難と言われるキヤノントッキ製の真空蒸着装置の納入についても、2015年に契約を結び、必要な台数を確保したという。