米IBM社が2014年夏に発表した脳型チップ「SyNAPSE」(開発コード名はTrueNorth)の実用化に向けて積極的に動き始めた(図1)。
SyNAPSEは1チップ中に神経細胞のニューロンに相当する機能100万個と、ニューロン間のスイッチであるシナプスに相当する機能2億5600万個を実装した非ノイマン型プロセッサーである。スパイク状の信号を発するニューロンを相互に結合した構造を採る。ニューロンの総数はおよそ蜂の脳に相当する。
SyNAPSEの最大の強みは、画像認識や音声認識といった高度なパターン認識を極めて低い消費電力で実行できる点だ。消費電力は1チップ当たり約0.07Wと低い。