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理化学研究所 革新知能統合研究センターのセンター長に就任した杉山将氏
理化学研究所 革新知能統合研究センターのセンター長に就任した杉山将氏
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 求む、世界最速の人工知能(AI)用スーパーコンピューター。産業技術総合研究所は2016年10月28日、AI処理を高速かつ省電力で実行できるスパコンを調達する計画を明らかにした。2017年度第4四半期以降に導入する。ピーク性能の理論値は130PFLOPS(Peta FLoating point Operations Per Second)以上と、現状でのスパコンの世界最高値を上回る想定だ注1)。産総研を後押しするのは、世界的な人工知能研究の盛り上がりである。他国に後れを取らず、日本から最先端の成果を次々に生むために高速な処理環境が必要と判断した。「我が国初の人工知能処理向けのリーディングインフラストラクチャ」(産総研のWEBサイト)を目指す。

注1)現在世界最速の中国製スパコン「Sunway TaihuLight」の93PFLOPSを超え、理化学研究所の「京」の10倍以上に達する。

 実際、AIの研究開発は過熱の一途を辿っている。この数カ月の間にも目を引く成果が山のように現れた。日本企業の発表も数多い。欧米勢と比べて後発とされてきた深層学習(ディープラーニング)に関する研究例も続出。脳に倣った専用チップの開発など、「深層学習の先」を狙う提案も少なくない。対する欧米勢は、深層学習をより高度な情報処理に応用する研究で画期的な成果を上げている。この領域では日本勢の存在感はまだ薄いようだ(図1)。

図1 実用性の向上か知性の高度化か
図1 実用性の向上か知性の高度化か
日本企業から最近発表が相次いだ深層学習に関する研究成果は、パターン認識に強い深層学習の応用範囲を広げるものが多かった。高度な知性を目指す研究では、人間の脳の仕組みに倣ったハードウエアの開発が始まっている。一方で欧米企業は、自然言語処理など、より高度な情報処理に深層学習を適用する研究を積極的に進めている。
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