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金型やアルマイト処理の条件などを改善

 iPhoneをはじめ、スマートフォンの高級機種では、Al合金の切削筐体にきれいなアルマイト処理を施すのが一般的である。同処理を施すのは、Al合金の耐食性や耐摩擦性を高めつつ、染色して高級感を出すためである。だが、切削作業に時間がかかる、切削機だけでなく治具やドリルの刃などにもコストがかかるという課題がある。

 これに対してAlダイカストは、金型で成形するので加工時間が短く、コストも低い。スマートフォンの筐体の場合、「切削では削り終えるのに30分以上、仕上げ作業を含めると1時間弱かかるだろう。一方、ダイカストでは成形に20~30秒、仕上げ工程を含めて10~20分ほどで作業が終わる」(ある金属加工技術者)。

 ただし、一般的なAlダイカストは、きれいにアルマイト処理しにくいという課題がある。金型にまんべんなく流れるように流動性を高めるために加えるSiが原因だ。そのため、Alダイカストに色を付ける場合には塗装しており、「いわゆる“プラスチックっぽく”なって、高級感がなくなる」(前出の技術者)恐れがある。

 そこでオータックスは、Siがほとんど含まないダイカスト向けAl合金を開発した上、金型やアルマイト処理の条件などを改善することで、Alダイカスト品ながらきれいにアルマイト処理を施せるようにしたという。機械的な特性は、スマートフォン筐体で一般的な6000系のAl合金に近い。例えば、引っ張り強度は約180MPaで、ビッカーズ強度は60Hvほど、伸び率は20%弱である。なお、成形できる肉厚は最小で0.8mmだという。