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 2016年秋に勃発した、韓国Samsung Electronics社の「Galaxy Note7」の発火・爆発問題。世界中で発火が相次ぎ、2016年8月の発売開始から2カ月弱で製造・販売中止に追い込まれた事故です。この事故はいまだに原因がハッキリしていません。

 こうしたもやもやした状況の中、Galaxy Note7を含むスマートフォンや電気自動車に使われている「Liイオン2次電池(LIB)」の次を狙う動きが、慌ただしくなってきました。現行のLIBの数倍~10倍超の容量を持つ、いわゆるポストLIBの存在感が急速に高まりつつあるのです。従来液体だったLIBの電解質を固体に変えた全固体電池が代表格です。これまで実現は遠い将来と考えられてきましたが、ここにきて技術開発が大きく進展し始めました。

 背景には、既存のLIBの限界がハッキリと見えてきたことがあります。現行のLIBは、安全面、技術面、価格面で3つの限界を抱えています。技術面では、エネルギー密度の限界が間近に迫っており、早ければ今後約5年で現行LIBの性能向上が止まる可能性が取り沙汰されています。技術進化なくして市場の成長はありません。いかにして電池の技術進化を継続するか。最新の技術動向を特集1「ポストLiイオン電池、急加速」でまとめました。

 もう1つご紹介したいのが、特集2「LiDAR、価格破壊」です。LiDARは、周囲に光線を発して反射光から空間を3次元的に認識するセンサーです。試験走行中の自動運転車がカメラと共に必ず搭載しているものです。現在は価格が数百万円と極めて高いため、高価な移動機にほぼ応用が限られていますが、このLiDARに技術革新の波が訪れようとしています。具体的には、新技術の導入で価格が2~3年のうち2~3桁も下がる可能性が現実味を増してきました。低価格化を推進する技術は、駆動部をなくす“メカレス化”です。

 メカレス化による技術革新としては、駆動部を持つHDDを、駆動部をなくしたフラッシュメモリーが急速に置き換えつつあることが挙げられます。LiDARでも似た構図がありそうです。メカレス化に伴い、大手半導体メーカーなどが続々とLiDAR市場に参入し、半導体の量産効果を利用するなどして、価格を劇的に下げようとしているのです。競争激化とともに、メカレス化の手法でも新たな要素技術が続々と提案されています。「メカレス化+競争激化」で、先行メーカーからは「50米ドルを実現する」との目標も出ています。「数百万円から50ドルへ」。価格破壊へのカウントダウンが始まりました。