写真:トヨタ自動車
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 トヨタ自動車は2017年12月、パナソニックと電池の協業に向けた検討を始めると発表した。低コストで高性能な車載用角型リチウムイオン電池の開発や、次世代電池である全固体電池の実現で協力していくという。実は、トヨタとパナソニックの電池に関わる協業は3度目だ。

 最初は車載用電池の合弁会社であるプライムアースEVエナジー(PEVE、旧パナソニックEVエナジー)の設立である。当初は折半出資に近い割合の出資比率だったが、三洋電機子会社化により中国政府からニッケル水素電池に関する独占禁止法でとがめられたことで流れが変わる。パナソニックはPEVEへの出資比率を約2割に下げた。2010年には、PEVEは名称からパナソニックを外し、現在まで実質トヨタの電池会社となっていた。

 2回目は、米Tesla社とEV開発で提携していたときのこと。トヨタはTesla社から電池パックを調達し、2012年に「RAV4 EV」を限定出荷した。セルはパナソニック製だった。その後、開発方針の違いからトヨタとTesla社は協力関係を解消していた。

 そして今回である。トヨタ副社長の寺師茂樹氏は「パナソニックと協力することで、2030年に向けた電池の大量確保という最後の課題に見通しがついた」と胸を張る。ただ、パナソニックにとっては複雑だ。トヨタから離れて独り立ちしたからこそTesla社と組んで大規模電池工場(ギガファクトリー)を設立するなど大胆な道を切り開いてきた。さらに今回のEVブームは、欧州と中国勢がしかけており、市場が過剰に反応している面もある。両社は、世界で進む電池やEV事業の駆け引きという雑音に左右されず、今回こそは互いに手堅く協力関係を築きたいとの思いがあるはずだ。