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 前号に引き続き、ドイツAudi社の大型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「Q7」の分解結果についてレポートする。Q7のホワイトボディーは軽量化のために、鋼板だけでなくアルミニウム(Al)合金を使用したマルチマテリアル構造が特徴となっている。今回は、神戸製鋼所の神戸総合研究所による使用材料の分析結果を元に、ボディー骨格および外板部材について、押し出し材、板材、鋳造品といった様々なAl合金をどのように適用しているかを細かく見ていく。

前部のメンバーはAl押し出し材

 2015年に欧州で発売された2代目となるQ7は、Volkswagenグループで「MLB(縦置きモジュールマトリックス)evo」と呼ばれる最新プラットフォームを使用しており、先代からマルチマテリアル構造を大幅に進化させている(図1、2)。

図1 Audi社の大型SUV「Q7」のホワイトボディー
図1 Audi社の大型SUV「Q7」のホワイトボディー
神戸製鋼所神戸総合研究所の展示室に置かれたQ7。Audi社はAl合金によるボディー設計技術「ASF(Audi Space Frame)」に取り組んできたが、Q7ではボディー骨格をマルチマテリアル化した。
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図2 2代目となったQ7
図2 2代目となったQ7
Volkswagenグループで「MLB(縦置きモジュールマトリックス) evo」と呼ばれる最新プラットフォームを使用する。今回の分解研究で使用された車両は排気量3.0LのV型6気筒ターボディーゼルエンジン搭載の「3.0TDI Quattro」(日本市場未導入)。欧州市場での価格は6万1700ユーロ(約700万円)。
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 分解されたQ7のホワイトボディーの素材を見ると、Al合金の使用部位の選択の細かさが目につく。

 新型Q7のボディー骨格は、ホットプレス鋼板とAl合金の積極的な使用によって、排気量3.0LのV型6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載した先代車と比較すると、ボディー骨格では71kg軽くできた。

 車両質量も新型では1995kgと旧型から325kgも減らした。こうした大幅な軽量化は、Q7のように全長5mを超える大型SUVにとって大きな燃費改善効果をもたらしている。

 マルチマテリアル構造の基本的な考え方は以下のようだ。キャビンの骨格となり、衝突時に変形してほしくない部分にはホットプレス鋼板をはじめとした高強度の材料を使う。