今回から2回にわたって、ひろしま産業振興機構カーテクノロジー革新センターがベンチマーキング活動として実施したドイツVolkswagen(VW)社の「パサート1.4TSIコンフォートライン」の車両分解作業の模様をレポートする。VW社の最量販車種の一つであるパサートは、C/Dセグメントのセダン、ステーションワゴンをラインアップしており世界各国で生産されている。今回分解したのはセダンで、分解作業は2016年9月末から10月上旬にかけて実施した。
Al合金の適用は最小限
VW社が2014年7月に欧州で発表、2015年の7月に日本市場に導入したのが今回の対象となる8代目パサートである。同車はVWブランドの中型車で、世界市場での累計販売台数は約2200万台以上を数える(図1、2)。
分解した1.4TSIコンフォートラインは中間グレードの車両で、排気量1.4Lの直噴ガソリン直列4気筒ターボエンジンを搭載している。変速機はDCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)である7速DSGで、車両価格は359万円(税込み)。
パサート・セダンの車体は全幅が先代からわずかに拡大された。全長は4785mmと変わっていないものの、全幅が1830mmと10mm増加、全高は1465mmと25mm高くなり、ホイールベースは旧型の2710mmから80mm延長されて2790mmとなっている(表)。
