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SAE(米自動車技術会)が定める「レベル3」以上の自動運転を実現するには、現行のカー・ナビゲーション・システムより高精度の3次元地図データが必要とされる。同地図の基盤整備に関する取り組みの現状や実用化に向けた課題などを、ダイナミックマップ基盤企画が解説する。

 自動運転システムの開発は現在、「認知・判断・制御」の3分野を中心に進んでいる。歩行者を含む交通事故「ゼロ」の実現や乗り心地の良さなどを実現するには、「自己位置推定」技術とその位置を参照する高精度の3次元地図(以下、高精度地図)が必要と言われている。

 特に最近は、高精度地図の基盤データの取得と更新技術の確立に向けて、世界的な競争と連携が繰り広げられている。こうした状況の中で日本では、高精度地図の基盤データの供給と迅速な更新を図るため、“オールジャパン体制”による取り組みが進んでいる。

表 DMP設立時の出資企業
表 DMP設立時の出資企業
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 その推進組織が、企画会社のダイナミックマップ基盤企画(DMP)である。電機・地図・計測企業6社と自動車メーカー9社が共同で出資し、2016年6月に発足した()。全国の自動車専用道路と一般道路を対象に、高精度地図の「協調領域」におけるデータ仕様や構築手法の標準化、更新手法の実証や決定、関係する公的機関との調整、国際連携の推進を図るとともに、事業化の検討を行っている(図1)。高精度地図の協調領域とは、自動運転システムに共通して必要な情報を、レーザー点群データと画像から静的情報としてベクトルデータ化した3次元地図データのこと。一方、自動車メーカーが独自に追加する車線や信号・道路標識のひも付け情報などを「競争領域」と呼ぶ。

図1 DMPで検討を進める事業領域
図1 DMPで検討を進める事業領域
自動運転システムの実用化に必要な高精度地図の共通基盤データの収集や生成方法などを担当している。
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 一方、自動車メーカー以外の6社はコンソーシアムを組織し、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「自動走行システム」の検討課題の一つである 「ダイナミックマップ構築に向けた試作・評価に係る調査検討」業務を2015年度に受託し、高精度地図の協調領域の仕様などについて検討を進めてきた。