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クルマに搭載する2次電池の出力エネルギーや連続駆動時間、電池としての寿命などを最大限にするには、電池の「バランシング機能」が鍵を握る。米Texas Instruments社が、アクティブ方式とパッシブ方式という2種類の手法の利点や実装方法などについて解説する。(本誌)

 電動車両や民生機器などに使われるリチウムイオン2次電池を使った電池パックは、直列や並列に接続した複数のセルで構成されている。接続するセルの数は、蓄えるエネルギー量によって異なっている。また、こうした電池パックに電圧を加えて、定電流-定電圧(CC-CV)制御を行い充電するのが一般的である。つまり、2次電池を構成しているセルを個別に充電しているのではなく、複数のセルをモジュール単位で充電している。

 セルの製造プロセスは進歩を続けており、現在セルごとの特性のばらつきは小さくなっているが、完全に同じではない。容量や内部抵抗、自己放電率、過電圧のしきい値、2次電池内の温度勾配、経時変化など、多くの特性にばらつきが生じることがある。

 そのため、それぞれのセルは同じ時間で満充電にすることができない。実際の2次電池パックではもっと複雑になるが、今回は内容を単純化して、セルを異なる速度で充電した場合のこれらの特性のばらつきの影響について解説する(1)

 電池パックを充電するとき、すべてのセルを同時に満充電にするのは難しい。一部のセルがその他のセルよりも先に満充電になってしまい、残りのセルはその時点では低いエネルギー容量にとどまる。このため、そこで充電をやめてしまうと、電池パックとしての定格容量に達しないことになる。