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世界最大市場の中国で圧倒的な存在感を示すのがSAIC MOTOR社(上海汽車)だ。米GM社とドイツVolkswagen社との合弁を軸に、急成長を遂げた。技術力も着々と高める。ただし、まだ国内にとどまる内弁慶。悲願の海外進出は成功するか。(本誌)

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 2015年、中国SAIC MOTOR社(上海汽車)の売上高は1022億ドル(約11兆円)に達した。その規模は、日産自動車やホンダに並ぶ水準だ。中国で名実ともに最大の自動車メーカーである(図1)。「製造強国」への転換を図る中国政府にとって、上海汽車にかける期待は大きい。

図1 上海汽車の新車販売台数
図1 上海汽車の新車販売台数
急速に増えており、2009~2015年の6年間で2倍以上になった。販売台数で見ると日産やホンダに迫る勢いだ。
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 中国メーカー全体に言える課題である自社ブランド車の販売は、急速に増えている。2015年の自社ブランド車の販売は220万台に達し、中国メーカーで圧倒的な規模になった。今後は「新エネルギー車(New Energy Vehicle:NEV)」開発に経営資源を集中する。その中核が、米GM社と設立する研究開発拠点や、米電池メーカーとの合弁事業である。

 課題は中大型車の開発。現在は小型車が中心で、7割を占める。中国で販売が増えているCセグメントのSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)の開発が遅れている。海外展開は導入期だ。2015年、中国からの輸出は8万台で、海外生産は8000台にとどまる。今後のカギを握るのが南アジア市場だ。GM社との合弁事業を活用し、ASEAN(東南アジア諸国連合)とインドで低価格車の現地生産を増やす。2020年に海外生産能力が30万台に達する可能性がある。