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スーパーカーの開発で高い知名度を誇るイタリアFerrari社が、転機を迎えている。販売台数を抑えてでもブランド価値を重視するこれまでの方針を変える。販売増加とブランド価値の二兎を追えるか。 (本誌)

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 Ferrari社はかねて設けていた年間販売台数の上限値を、緩める方向にある。この10年ほど7000台程度で横ばいだった年間販売台数は、2019年から大きく増えて、2021年に9000台超に達すると見込む(図1)。

図1 販売台数制限を緩和
図1 販売台数制限を緩和
7000台程度で横ばいだが、2019年以降から急増する見込み。
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 方針転換のきっかけは、2015年にニューヨーク証券取引所に上場したことである。欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)社におけるグループ企業の一員として、グループを助ける役割を担わされた。上場で資金を調達し、グループのイタリアMaserati社や同Alfa Romeo社などの新車開発を後押しする。

 2014年にFCA社CEO(最高経営責任者)のSergio Marchionne氏がFerrari社の会長に就任して以降、グループ戦略を重視する姿勢に変わった。FCAグループの一員として、エンジンやプラットフォームを共有することも増えそうだ。

 とはいえ、Ferrari社がブランド価値を失っては本末転倒。独立独歩の感が強かったFerrari社が“普通”の企業になっては、存亡の危機だ。ブランド価値を高めつつ、販売台数を増やすという難しい舵取りに挑む。