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2016年8月中旬、月額定額でクルマを乗り換え放題できるサービス「NOREL」が日本で始まる。打って出るのは中古車売買大手の“ガリバー”だ。仕掛け人の北島昇氏に話を聞いた。

Q 月額4万9800円(税抜)で、100車種以上のクルマから自由に乗り換えられるサービスを始める。

 最初は「ベータ版」として、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県で展開する。まずは100人の会員数で展開する予定だ。車両は、我々が買い取った車がベースになる。キャンピングカーやスポーツカーなども揃える。スマートフォンで車両を予約し、ガリバーの店舗で車両を受け取ってもらう。

 月額料金には、車両価格の他に自動車保険や車検などの費用を含んでいる。それでも、確かに高いと思う。妥当な価格設定などを決めるのがベータ版の重要な役割の一つだ。2016年内は検証を進め、2017年には全国展開を始めたいと思っている。

 クルマの乗り換え頻度も見ていく。多くて年に4回、季節ごとに乗り換えてもらえればと想定している。ただ、仮説には固執せず、ユーザーと向き合っていきたい。

Q 新サービスを展開する背景や狙いは。

 「所有」を前提としていたクルマは、これから「利用」に移行していくだろう。この動きは、自動運転車が生むイノベーションの端境期だからこそ起きているもの。カーシェアリングや米Uber Technologies社に代表されるシェアリングエコノミー、そして月額借り放題サービスが並んでくる。

 我々は、クルマを必要としている人々に、所有に代わるサービスを提供したい。当社の根底には「クルマを衣服のようにしよう」という思想がある。生涯に乗れる車は5~6台と言われており、それを増やしていく。

 月額定額制にすることで、100円均一ショップのような体験をクルマの世界に持ち込む。金額を抜きにして、自分にとってどのクルマがぴったりかを考えられるようにするわけだ。100円ショップで商品の値段を考える人はいない。そうなると購買体験は、自分が好きなのはどれかということだけになる。クルマは、初期費用に維持費、さらには売却する時に高く売れるかなど、金に関することが大きすぎる。好きなクルマを純粋に選ぶのが難しかったのだ。

 新サービスは、新車を購入する際にも使ってもらえるはずだ。気になるクルマを一定期間使って乗り比べる機会を提供できる。これは自動車メーカーにも歓迎してもらえるだろう。クルマとユーザーの新しい関係性を提示していきたい。

Q 主軸の中古車事業は、中期経営計画を見ても強気の数字が並ぶ。好調な中で新サービスを始めるのはなぜか。

 結論から言うと、全然好調ではない。それは足元が悪いという意味ではなく、当社は2020年に向けて相当野心的な目標を設定しているから。中古車売買だけで達成できる目標ではなく、新規事業が必須になる。

 もう一つ、自動車業界の参入障壁はどんどん下がっている。米Google社やDeNAなどの新規参入が相次いでいる。他にも次々に入ってくるだろう。誰かが明日、ルールチェンジを起こすかもしれない。だから、強い危機感を持っている。誰かに変革を起こされるくらいなら、自分達の手でやってしまいたい。

北島 昇(Noboru Kitajima)
IDOM 執行役員 新規事業開発室室長
2007年にガリバーインターナショナル入社。経営企画やマーケティング改革、事業投資など幅広い業務に従事。現在、新規事業開発室の室長としてコネクテッドカー事業やC2C事業、サブスクリプション事業の立ち上げや運営を手掛けている。なお、ガリバーインターナショナルは2016年7月15日に社名をIDOM(いどむ)に変更している。