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編集部から

 今号の特集1では、「技術力はあるのに儲からない」という読者の方の悩みに応えるべく取材を進めました。競争の激化や環境問題、グローバル化への対応といった従来の課題に加えて、IoT(もののインターネット)や人工知能といった新技術が登場。中国経済の変調まで加わって先行きが不透明になる中、次のものづくり戦略を知りたいというニーズは高いと思います。実は、取材は難航しました。次の戦略を立てにくいという証拠かもしれません。(近岡)

おすすめの1冊:技術革新がもたらす協働・分散社会

限界費用ゼロ社会<br>&lt;モノのインターネット&gt;と共有型経済の台頭
限界費用ゼロ社会
<モノのインターネット>と共有型経済の台頭
著者:ジェレミー・リフキン
価格:2400円+税
発行:NHK出版
判型:四六判、536ページ
ISBN:978-4-14-081687-5
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 IoTや3Dプリンターなど、新技術の登場によって社会の在り方がどう変わっていくのかを考えるのに役立つ一冊。本のタイトルにもなっている「限界費用」は、提供するモノやサービスを1単位増やす際に発生するコストのことである。

 著者は限界費用の中でも、特に通信・コミュニケーション、エネルギー、輸送の3つが、主にこれまで市場での企業の在り方を定めてきたと指摘する。

 今の企業は、主に巨額な投資によって市場を独占し、利益を回収する中央集中型の組織が多い。それはモノやサービスを提供する際、大規模な体勢を整えることで生産と流通にかかるコストを圧縮できるからだ。

 著者によると、これからはIoTに支えられ、3Dプリンターや再生可能エネルギー技術などの最適な運用が始まることで、あらゆるコストが下がっていく。それが中央集中型以上に効率的なモノやサービスの提供につながり、協働型・分散型の社会に移り変わるという。

 本書の最後には、日本版のために特別章「岐路に立つ日本」を追加掲載している。日本とドイツを比較して論じており、これから日本がどう歩んでいくべきか考える一助になるはずだ。(野々村)